お客様の挑戦
船舶が港に入るときには、接岸する船舶と、それを受け入れるために設置された硬いドッキング構造の間で、かなりのエネルギーが伝達されます。Maritime International Inc. はルイジアナ州ブルサードに本社があり、接岸中の船舶の運動量を安全に吸収するための防舷システムを専門に設計製造しており、ドックと船舶両方の保護に貢献しています。
Maritime International は、世界中の港湾局、エンジニアリング会社、海事契約業者、民間オペレーターと緊密に連携し、波止場のニーズに合った防舷システム、係留ボラードや他の製品などを提供しています。同社の船舶用防舷材は、1 フィート (31cm) から 10 フィート (3m) 以上の高さのものまであり、現役の最大級の船舶を受け入れるように設計されています。同社はあらゆる地域の顧客にサービスを提供しているため、それらの製品は北極圏からアフリカまでの極端な気候や温度範囲に耐えられる必要があります。
Maritime International 社の技術管理者である Joshua Hargrave 氏によると、このように防舷材のサイズ、応力許容量、使用環境の要求が多岐にわたることはテストラボにとっては常に大きな挑戦となっています。
「当社は、すべての防舷材を速度、温度、角度の補正率に対してテストする必要があります。さらに、ゴム製の本体が特定の速度で特定の方法で、また特定の動作環境で打撃を受けたときに、特定の方法で反応すると言えるようにする必要があります」と Hargrave 氏は述べています。「最終的にこれらの変数によって当社の防舷システムは異なる性能特性を生み出します。
Maritime International 社は、メカニカルテストのニーズを満たすために、サードパーティ製のカスタムソフトウェアと基本的な制御機能を採用した、複数の負荷フレームを設計製作しました。「古いソフトウェアの設定は適応範囲が非常に狭く、テスト中の制御やデータ取得の面で何が起こっているのかを解釈するのが困難でした」と Hargrave 氏は述べています。「ソフトウェアも制御も、我々が必要とする柔軟性や使いやすさに達していないことが次第に明らかになってきました。」
MTS のソリューション
2008 年に Maritime International 社は利用可能なテストソフトウェアの調査を開始し、最終的に MTS と提携することを決定し、MTS TestSuite™ ソフトウェアプラットフォームへの移行を開始しました。「私はソフトウェアや統合の専門家ではありませんでしたが、自分たちのしたいこと、しなければならないことを MTS が正確に把握していることがすぐに明らかになりました。」
MTS TestSuite ソフトウェアは拡張可能な単一の環境を提供し、テストラボ全体でのテストの作成と実行、レポートの作成、分析の実施が容易になるように設計されています。また、Maritime International 社は、新しいソフトウェアの機能を最大限に活用するために、コントローラーを次世代の FlexTest® デジタルコントローラーと交換することを決定しました。FlexTest ファミリーのすべてのコントローラーは、ハードウェアボードとインターフェースツールの共通セットを共有しており、さまざまなテストアプリケーションに合わせて簡単に再構成することができます。
Hargrave 氏は、「MTS のソフトウェアと制御装置を我々の負荷フレームで動作させるとことは、非常に大変なだろうと予想していました」と 語りました。「しかし、MTS の新技術は 1 日で完全に統合されて稼働し、翌日には試験を行っていました。すべてが連動し完璧に動作しました。それは特別なことです。」
MTS TestSuite ソフトウェアを使用した初の試験において、Hargrave 氏は、船が防舷材に接触したときに減速する様子をシミュレートした特定の曲線に沿って、減速試験の設計および実行を行う必要がありました。テストの作成のために 1 ヶ月を確保していましたが、わずか 2 日で完成しました。「ソフトウェアの設計が我々のやり方に合致しており、非常に理解しやすく使いやすいです」と Hargrave 氏は述べています。「すべてが理にかなっています。」
Hargrave 氏はリアルタイムに変数を入力したり計算したりする新しい機能が特に便利であることに気づきました。「私は基本的に、曲線上の 25 のポイントを設定し、あとは 3 つの入力をするだけでした。ソフトウェアが最大 75 の変数を計算して曲線を完成させてくれます」と彼は語っています。「すべての変数があらかじめ計算されているので、その場で簡単に変更することができます。これは我々が行う多様なテストにとって不可欠です。」
顧客のメリット
MTS TestSuite プラットフォームを導入して間もないにもかかわらず、Maritime International 社はすでに良い結果を実感しています。「まだ導入して 8 ヶ月ですが、明らかに効果が出ています」と Hargrave 氏は述べます。「もしとんでもないテストを依頼されたとしても、私はこのソフトでテスト方法を見つけられるでしょう。
「当社はエンジニアリング会社と密接に仕事をしていますが、彼らは日常的に『防舷材にあれこれと手を加えるとどうなるか』と尋ねてきます。自分たちの一般的な専門知識と経験に頼るだけでなく、2、3日以内に必要なテストを実行して答えを出すと自信を持って言えるようになりました。これは、当社にとって非常に大きな信頼性の向上につながりました。」
Hargrave 氏は、あるエンジニアリングパートナーから投稿された、「防舷材に水を入れて特定の速度で衝突させたらどうなるか」というシナリオを例に挙げます。与えられたパラメータに適合する答えをすぐに出すことはできなかったものの、文字通り質問を試してみることができました。水中試験の結果は 2 日以内に得られ、質問されたプロジェクトのために防舷材とドックの設計に適切に反映されました。
「エンジニアリング会社はこのような支援をメーカーに期待しています。当社はその場で、あるいは 2、3 日で答えを出すことができるので、非常に価値のあるパートナーになることができます。この能力は、テストの内容をすぐに変更できるようになったことと大きく関係しています。
「新しい MTS 技術で何ができるのかについてはまだ表面的にしか知りませんが、すでに顧客サービスの効果を上げる点で大きな影響を受けています」と Hargrave 氏は述べています。「当社はすでに、わずか数ヶ月であらゆる種類の試験を実施しており、MTS のソリューションによって顧客と当社自身が大きな利益を得ていることを嬉しく思っています。」